目から鱗のプレゼンテクニック-1

プレゼンテーションが社会を動かす。

竹内ゼミがなぜ、プレゼンテーションにこだわっているのか?

答えは簡単です。表現は個人の表現力の差で、大きく仕上がりが変わります。場合によってはその表現がプラン自体の価値を落としてしまう可能性があります。 逆に、ちゃんとやりたいことが伝われば、表現はなんとでも修正はききますし、そのプランの価値が伝えられれば、どんどんアイデアをプラスして膨らませていくことが出来るのです。

時として、プレゼンテーションの出来次第でどんなに素晴らしいアイデアも世の中に出ないこともありますし、ちょっとした思いつきも壮大なプランに成長することもあるのです。

自己表現にこだわる人のポジション。

では、自分は表現力で生きていくという人にプレゼン能力は必要ないのでしょうか?

僕の知る範囲で、実際の現場のことを紹介しますと、少なくとも広告業界と出版業界では、自己表現に固執する人が、プロジェクトの重要な部分を担うことはありません。

広告業界ではクリエイティブディレクターやアートディレクターといったディレクター職。その人たちがプロモーションの方向性を決め、デザイナー、コピーライターが制作をまとめます。

出版では、編集者が編集方針を立て全体の構成をまとめる。漫画や純文学のように作家性に頼るものでない限り、デザイナー、ライターはその編集方針を軸に作業を進めます。

結局、広告業界も、出版業界も言葉は汚いですが「もうける」ための経験を積んだ人が制作の起点になるので、個人の感性や、自己表現ありきで制作を進めることはほぼ無いのです。

自己表現や、作家性にこだわる人に声がかかるのは、最終表現でその個性が必要と思われるときに限ってです。人に認められることは非常にありがたいことですし、誰にでもできる仕事ではないので、やりがいのある仕事ですが、こういった個性が重視される職業を選択したとしても、作品の説明ではなく、その作品がどうプロジェクトに適しているかを伝えるプレゼン能力が必要となってきます。

良いプレゼンと悪いプレゼン。

では、プレゼンの善し悪しを考える前に、話しておかなければいけないことがあります。それは「プレゼンは、提案であって、企画の説明ではない」。そのあたりの理解がちゃんと出来て、まず何がしたいかを伝える技術が無いとスタート地点にさえ立てない業界もあると認識してください。社会において「伝える技術」は「表現する技術」以上に重要視されています。

では本題に入りましょう。

まず、『プレゼンA』という組み立てを紹介します。この組み立ては良いプレゼンテーションだと思いますか?それとも悪いプレゼンテーションだと思いますか?考えてみてください。

 

プレゼンA:

マーケッティング資料をもとに、なぜこの企画を立て、どういう意図でこの表現に至ったかを説明し、表現の展開案も紹介した。

いかがでしょう?これは良いプレゼンでしょうか?・・・・少なくとも悪くないように思えますよね。でもこれはあまり良いプレゼンテーションとは言えません。

では何が良くないのか?それはプレゼンテーションする人の立ち位置です。会場のどこに立つかということではなく、誰の立場に立つかということです。

つまりプレゼンテーションは、企画の優位性を説明する機会ではなく、先方にとってこの企画が、どういうメリットがあるかを提案する機会だと考えるべきなのです。

では具体的にどういうプレゼンテーションを組み立てれば良いのか?

よく話の組み立てで、「起承転結」という風に言いますよね。プレゼンテーションも同じように組み立てを考えねばなりません。その組み立てによって、プレゼンテーションの価値が変わってきますし、上手い下手も差がでてくるわけです。そこには人それぞれのノウハウがあるので、自分に適したプレゼン・ノウハウは、自分でみつけていくしかないのですが、今回は特別に、竹内の考える組み立てを紹介しておきます。

初級編

基本となるのは、「企画説明」ではなく「before and after」です。つまり、この提案によって、現状がどのように改善されるかを中心にプレゼンテーションを組み立てるのです。もし現在のプランを「before and after」という尺度で見たときあまり変化が無かったとしたら、それはつまらない提案ということなので、プラン自体を見直すべきでしょう。

もし「before and after」が十分に説明出来るのなら、そのうえで、提案先に最もフィットする形でこちらの提案が、いかに魅力的かを伝える方法を考え、シナリオを練る。これが出来るだけでも最初に書いた『プレゼンA』より遥かに良いプレゼンになります。

今回の授業課題では、提案する前と提案した後で大きく価値が変わる提案を考えてみてください。まずプラン出しから!楽しみにしています。

© 2017 Kyoto Saga University of Arts Department of Design

Visual Communication Design : DESIGN-MON